<農園のはじまり>
私達の農園は昭和45年 34戸の集落農家によって農業構造改善事業の適用を受け、米づくりと果樹栽培に着手しました。
桃やりんごがようやく実りはじめ、経営も軌道に乗りはじめた昭和56年(1981年)冬、豪雪に見舞われ3000本の桃やりんごの木々は2mを超える積雪に耐えかね引き裂かれ、圃場に立つとその光景に思わず立ちすくんでしまいました。
それから3ヶ月、毎日スコップで折れて埋もれた桃やりんごの枝を掘り起こす作業が続き、絶望の淵に立ちすくむ毎日でした。
雪どけが始まると折れた木々の枝から蕾が芽吹き、小さな花を咲かそうと懸命に生きようとする自然の姿に出会い再び「命」を与えられたように魂を揺さぶられました。支柱を立て、ボルトで折れた枝を継ぐ作業に追われ徐々に木々は回復してきました。
この年、6名となった有志により農園の新たな出発となりました。この頃よく「農業は税金の無駄遣いが多い」という声を聞いた。私達はみんなで誓いました。
1円でも税金を納める農業をしよう。何としてもこの農園を再生して、多くの人々に喜んでもらえる農園にしようと…
極力、化学肥料を少なくし、ブナやナラの本皮(バーク)をチップ工場から仕入れ、独自の堆肥づくりをはじめた「3年間熟成発酵して圃場に入れる」土壌改良を続けて30年がたちます。
<支えあう家族>
私達は経営方針を「支えあう家族」健康で働けるのも家族のおかげ、家族一人一人に感謝し、もだに農園を通じて手塩にかけて育てあげた桃とりんごを味わっていただき、皆さんと喜びを分かち合っていこう。小さな願いの一歩をふみ出しました。
そして,平成11年新たな目標をみんなでつくりました。
育てることの尊さと
収穫することの愉しさと
味わえることの歓びを
お客様と共に実感出来る農園づくり
これがもだに農園の目指す方向です。
車社会は農業分野にも大きな変化をもたらしています。産地と消費者の間が飛躍的に近づき,果樹栽培する私達にとっては完熟りんごや桃を収穫して、翌日には各家庭に届けられるようになりました。
「本物の味」が生かされる。この上ない喜びです。また,一方で農園に出向いて自分の目で確かめ、味わってから求められる。消費者にとってこれほど確かな選択はありません。
私達も直接、消費者の皆さんの生の批評を直接伺うことができ、対面交流が広がり「産」と「消」との絆が深まる絶好の機会が出来たと嬉しく思っています。
安全な果物を安心して求めていただく、これが農業者の使命を考え、私達は生産管理を開示しています。
消費者の皆さんの声を現場に活かす一方で、こだわりの一品づくりにも力を注いでいる毎日です。
私達の農園では介護する人、される人、健常者と同じように収穫する愉しさや、味わうことの歓びを分かち合いたいと園内もバリアフリー化し、一日を楽しんでいただけるようにしています。もだに農園で「家族の絆が深まる一日」を毎日、願っています。
<若者のエネルギーと創造力と先人の知恵と経験の融合>
農園では,若い人のエネルギーと創造力を活かし、先人の知恵と経験に学ぶ経営をしています。
『縦より横』 従業員一人一人が技術・責任をもって作業をしています。
分からないことはすぐに聞く,人任せにしない
自然相手の仕事ですから,毎年1年生のつもりで樹に向かっています。
<最後に>
おかげさまで今では,北海道から沖縄や五島列島の方々にもお届け出来るようになり感謝致しています。
噂を聞いてか、この頃では猪の親子も果樹園へ再三訪問してくれます。
また,ホームページを充実することで,お客様により新鮮な情報をお届けできるのではないかと考えております。
皆様のご来園,心からお待ちいたしております。
令和4年2月吉日 農事組合法人 もだに農園
組合長 青木 和夫